電力,参入組が融通 コスト減で競争力

電力小売りの新規参入企業が電力の相互融通に乗り出す.丸紅と大王製紙は余剰分を供給し合い,新日本製鉄は調達した電力の一部を住友商事系などに販売する.新規事業者間で余っている電力を融通することで調達コストを下げる.現在は新規事業者の総発電能力は電力10社の0.8%に過ぎないとあるが,全国の電力会社は価格が1−2割安いということを脅威に感じたのか,対抗値下げに出ているとのこと.参入組がこの値下げにさらに対抗するのか,それとも価格競争をするのではなく,セット割引サービスなどを充実させてゆくのか.後者だと既存会社に対抗するのは難しいだろうし,価格での競争をするしか道がないのではないか.


【電力小売り】
電機を直接消費者に販売すること.従来地域独占の10電力会社だけに認められていた.05年4月には新規事業者が割安な電気を調達しやすくする目的で卸電力取引所も開設されたが,新規事業者が期待した価格低下の効果は出ていない.