上場企業の純有利子負債 バブル後最低100兆円割れ

上場企業の財務改善が鮮明になってきている.純有利子負債は2005年3月末に過去10年で初めて100兆円を割り込み,バブル後最低水準となったとのこと.平均を見れば全体的に財務状況が良くなっていることが把握できる反面,個々の企業の状態を推測しにくい.実際,無借金経営は33%(1181社中391社)だけであり,未だに残りの67%は純有利子負債残高が残っている(1社あたり1200億円).しかし,こういった見通しの明るい状況ならば33%の企業だけでなく67%の企業も積極的にM&Aに乗り出し,精力的な活動をしていくことだろう.


【純有利子負債】
借入金など有利子負債から現預金と短期保有有価証券の合計である手元流動資金を差し引いた額.残高が高いと財務が脆弱とされ,格付け評価などに影響が出る.


【手元資金】
換金性が高く,企業が比較的自由に使える資産.手元流動性ともいう.現金や預金に,すぐに売却できる株式などの有価証券を合計した額.